ヒノキチオールの毒性・催奇性について
ヒノキチオールについて、気になるのがこの毒性だと思います。
食品衛生学会の学術講演会の資料にて、興味深いデータがあります。
以下一部抜粋
〜in vivo試験の結果からヒノキチオールにはマウスに催奇形性作用の
あることが確認された。しかし,推計学的に算出したED1値(1%奇形誘発量)が
190mg/kg と比較的大きく,その回帰式の直線の勾配が急であることや,これまで
食品中への使用実態がほとんど見られないことに加え,現在検討中の
ヒノキチオールの母体血液中濃度の経時的変化でみられる排泄の速さ等を
考慮すれば,添加物として使用する場合には催奇形性はほとんど問題ないと
考える。
食品衛生学会第75回学術講演会 演要旨集 (1998)
これを読む限り、食品添加物として使用する場合は、ほとんど問題ない
みたいですね。
ここで、でてくるED1値(1%奇形誘発量)が190mg/kgとありますが、
推測ですが、20g程度のラット(ネズミ)に、ヒノキチオールを3.8mg
程度投与し、その時に催奇性の影響をみた、と思われます。
人間で例えるなら、体重50kgの人に、ヒノキチオール9.5kg投与し、
それで奇形の可能性がある、といった感じです。
(※当然ですが、ラットとヒトでは影響が全く違うので上記は参考です。)
こう考えると、かなりの量であることが予想されますね。
ちなみに、最もヒノキチオールを含んでいる青森ヒバ(おがくず)
1000kg(1t)から取れるヒバ油は僅か10kg、このヒバ油のさらに1%しか
ヒノキチオールが入っていないため、青森ヒバ1tの中に僅か約100gの
ヒノキチオールしか入っていないことになります。
もっとわかりやすく言うと、商品でヒバ油100gの中に入っている
ヒノキチオールは1gしか入っていない計算になります。
普通に入浴剤として使う分では、皮膚に合わない限り、毎日ヒノキチオールの
入ったお風呂に入っても問題なさそうです。
また、食品添加物に使う場合でも、ヒノキチオールは結構な値段がするのと、
結構少量でも抗菌の効果があるため、大量に使われることはほとんどないと、
思います。(それよりは安い抗菌剤(防腐剤)を使う可能性がある)
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